大分大学

大分大学医学部附属病院

報告者氏名:荒金 郁代

H30年度
国公私立大学病院副看護部長研修

高齢者・認知症高齢者への看護ケアの質を高める取り組み

[概要]
当院は、2018 年に【認知症ケア加算2】の算定を開始した。しかし、急性期治療を行う特定機能病院
では、高齢者にとって安心できる環境とは言い難く、身体合併症や、せん妄、BPSD を引き起こしやすい。
そこで、加算算定の体制整備と共に高齢者ケアの質向上に取り組んだ。質評価指標として「構造」は認
知症看護の教育や指針整備、 「プロセス」は高齢者・認知症高齢者に実施した看護の事例検討、「アウト
カム」は認知症ケア加算算定件数や身体抑制率で評価することとし、各項目について実践計画を立てた。
結果として、認知症ケア加算対象研修には 133 名が受講し、各部署での学習会は 257 名が参加した。事
例検討では、パーソン・センタード・ケアによる患者理解や、入院前の生活と同様の環境調整、パラコ
ミュニケーションの活用等のケアが工夫され実施されていた。また、身体抑制回避のためには、患者の
力を信じ患者なりの自立を支援すること、身体機能を回復させることが重要であり、ケアの工夫により
尊厳を守る看護が実践できることが導き出された。しかし、他の看護業務との時間調整への葛藤や、離
床センサー使用によるBPSDの悪化、せん妄発症のハイリスクを予見したアセスメントの課題も明ら
かになった。体制整備により部署での学習会や事例検討が推進され、高齢者ケアの質改善につながりつ
つある。今後は、評価指標の検証やケアプロセスを継続的に評価するしくみづくりが課題である。

PDFファイルを開く